皆さんは子供のころ、本が好きでしたか?
meikaは大好きでした。
外で遊ぶのも好きでしたが、図書室も大好き。クラスの読書量ランキングは毎年上位でした。
そんな私なので、多少は本のョイスには自信があります。
今回は、小学5年生のころ読んだ、岡田淳先生の選ばなかった冒険-光の石の伝説-についてのレビュー。
ストーリー
主人公は小学6年生の男の子、学(まなぶ、あだ名はガク)とクラスメートの女の子、あかり。
二人は、保健室へ行く途中、学校の怪談にいたはずが、学がはまっているテレビゲーム、「光の石の伝説」の世界へとワープしてしまう。
「光の石の伝説」の世界は、現在は闇の王とその兵士たちによって支配され、モンスターもはびこる危険な世界。
平和な美しい世界に戻すためには、闇の王から「光の石」を取り戻すしかない。
なんとか現実世界に戻った二人だったが、その後は、現実世界で就寝するたびに、「光の石の伝説」の世界へワープしてしまうように。
そこから、秘密の二重生活が始まり、仲間とともに「光の石」を取り戻すための戦いに巻き込まていく…といった感じ。
対象年齢は、小学校高学年以上からかな。
直接的に残酷な描写などは少ないものの、結構シリアスな展開が待ってたりします。
感想(ネタバレなし)
いやあ…10年以上ぶりに読んだけど、やっぱ暗いわ。
めちゃくちゃ引き込まれるんですよ、面白い。でも、暗い。
個人的に暗い話も読めるタイプだからか?大人が読んでも十分暗いですわ笑
というか児童小説って、結構暗い話が多いんですよ。
子供のころにあまり本を読んだことのない方だと、児童小説っていったら、まずは子供向けかと思うでしょ?
案外違うんです!
特に、ファンタジーというジャンルにおいては。
例えば、外国の児童小説になりますが、ハリーポッターやダレンシャンなんかは結構、残酷なシーンがあったりしますね。
あと個人的には、小学生男子に大人気だったデルトラ・クエストからも、旅の辛さ、現実感を描写から学びましたね。
当たり前だけど、野宿をすればベッドで寝るのと違い、完全には疲れが取れないことや、追っ手から逃げるために、寝ずに逃げる辛さとか…
小説ではないですが、アニメのポケモンだと、10歳になったら旅ができるというとんでもワールドです。
ですが、旅の辛さが伝わってくるようなシーンは、あまりなかったように思います。まあ治安がいいからこそ、10歳でも旅ができるのでしょうし…
私の場合、ポケモンを見ていて、旅は楽しそうだなー、いいなーとあこがれるだけの子供でした笑
私の想像力がなかっただけかもしれませんが…ファンタジー小説を読むことで、現実でも想像力が豊かになった面があると思います。
本を読むと想像力がつく、というのは本当です。
個人的には、直接的にグロテスクな表現などはないものの、ジャンルとしてはダークファンタジーなんじゃないでしょうか。
子供がこの本を読んだ場合、現実の戦いはゲームとは違って、なにも楽しくなんかないということが想像しやすくなると思います。
戦争も同じですね。
でも、最後まで読むとタイトルの意味が分かりますし、最後まで読み切ったときの、あのなんともいえない感じがたまらなく好きですねー。
個人的には大人が読んでも面白い、名作といえる児童小説だと思います。
ちなみに、こちらの記事で紹介してる映画も小学生でも大丈夫なのでおすすめです。
感想(ネタバレ有)
※以下ネタバレを含みます。本作を読んだ後に、読んでいただくことを推奨します。
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ます、私がこの作品を読んだのはおそらく、小学5年生のころ。
今回、読み直す前に覚えていた記憶としては、面白いけど全体的に話が暗かったことですね。記憶どおりでした笑
次に、完全に覚えていた大好きなシーンについて。
主人公の学が、もう一人の主人公(というかヒロイン?)のあかりに対して、何かいやらしいことをしたのではないかとクラスメートにからかわれ…
【チカンのガク】という悪意のあるあだ名をつけられ、いじわるなグループにちょっかいを出されるようになってしまいます。
小学生ってそういうところ、あるよね…
女子と話せば女好き、女子を触ったら痴漢…小学生男子を経験した方々はすごく共感すると思います。
女子に見られていないところで、ちょっかいを出されるのもすごく覚えがあるなぁ…
そして、チカンとからかわれ、軽い暴力も受けるんです。相手は3人。勝てるわけがありません。
大人からみれば、いじめですよね…
でも、このいじめを受けた際の学の心情がまたリアルなんですよ…
相手に簡単に殴られた弱い自分に対してショックを受けるところとか、その後殴られたことは、女の子のあかりには言いたくないところとか…
そりゃあ…気になってる仲のいい女の子に、自分が弱いところなんて知られたくないよね…
いじめがテーマなわけではないので、上記のシーンは一部なのですが、少なくとも、いじめられた際の男の子の心理描写がかなり的確なんじゃないかと思います。
話を戻しますが、チカン呼ばわりされた挙句、軽い暴力にさらされてしまった学。
その後もうひとつの世界で特訓し、現実の世界でまたも暴力にさらされそうになった際、3人相手にやり返します。
このシーン、水戸黄門的な勧善懲悪とでも言うのでしょうか?
小学5年生だった私はこのシーンを学校で読んでいて、非常に昂りました。
心の声は「ガク、やり返せ!やってしまえ!」といった感じ。
昔ほどの気持ちの高揚はありませんでしたが、やはり盛り上がるシーンかと…
でもその後の、暴力をふるって勝った学が、後から何とも言えない気持ちになるところが、いいんですよね~
あと、学とあかりの二人の距離感がいいですね。このころの心理がうまく描かれていて、自分の子供のころを思い出します。
なんでしょう…男女の恋愛感情までとはいかないんだけど、お互い、気になっている感じ。初恋未満とでもいいましょうか。
児童小説だと、こういった関係が描かれることも多いので、自分の子供時代の心を思い出すことができて、いいんですよね~
ちなみに、絵を描いている人の名前が載ってないなーと思っていたら、作者の岡田先生、なんと絵もかけるそうで…
というか、漫画家の経験もあるとか…すごい多才でびっくり。
読んでよかった児童小説です。面白いのでぜひ読んでみてください!
こんな記事もあります。
(ただしこっちは、「選ばなかった冒険」と異なり、大人向けな描写も多々あるので小学生は無理かも…。)
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