小説 仮面ライダーファイズを読み終えたので、感想を。
555でファイズと読みます。多分読み方はあて字。
ストーリー
完全に、TVシリーズを見ている方向けの小説です。
TVシリーズなしで、この小説を読んでもわけがわからないと思います。
もしも読むのなら、事前にTVシリーズを見ておくことを強く勧めます。
いきなり、ファイズやカイザ、オルフェノクといった単語が詳しい説明や描写なしでバンバン出てきますので…。
ちなみにTVシリーズのOPはDA PUMPのリーダー、ISSAが歌っています。この歌、映像と相まってめちゃくちゃかっこいいんですよ…。
OPは2話の1:29から見れます!
YouTubeで1話と2話が無料で見れるようです。懐かしすぎるし、見てた当時は子供だったのに、今では出演してる役者さんたちと年齢そんなに変わらないんだよなぁ…はあ…。
では、この小説版のおおまかなストーリーについて。
主人公は園田 真理(ソノダ マリ)、16歳。
彼女は、両親を火事で失い、「流星塾」という養護施設で育った。
流星塾を卒業後は、高校へは行かず、アルバイトで稼いだお金をもとにバイクで旅に出る。
あてのない旅の途中で彼女は、非常にお人好しな菊池 啓太郎(キクチ ケイタロウ)と、猫舌でぶっきらぼうな乾 巧(イヌイ タクミ)という2人の青年に出会う。
出会ってから間もない3人は、突如オルフェノクという怪物に襲われる。
真理が持っていた、ファイズという人間を超えた力を持つ者になれる、つまりは仮面ライダーファイズに変身できるベルトを巧が使用して、ファイズに変身。
ファイズに変身した巧は、オルフェノクと戦い、勝利する。この出来事をきっかけに、3人は親交を深めていくことに。
そして啓太郎は、行き場のない真理と巧を、実家である菊池クリーニング店に居候として向かえ入れる。
こうして3人の若者は、共に働きながら、奇妙な同居生活をおくっていくことになる。
一方で、オルフェノクという怪物になってしまった人々も描かれる。
オルフェノクになってしまっても人の心を失わず、人とオルフェノクとの共存を夢見る青年:木場 勇治(キバ ユウジ)や長田 結花(オサダ ユカ)、海堂 直也(カイドウ ナオヤ)といった若者たち。
彼らは人間の心を失ったオルフェノクと戦いながら、騙されたり、傷ついたり、憎んだり、愛したりしながら、物語が進んでいく。
果たして、人間とオルフェノクは共存できるのか。
といった感じ。
TV版とも劇場版とも違う
ファイズは、作品によってストーリーや設定が大きく異なります。
なので小説版も、パラレルワールドだと思って読んだ方がいいです。
(※ちなみに劇場版もパラレルワールド)
私が仮面ライダー555を見ていたのは、小学生のとき。
序盤から、残酷で大人向けな展開。かなりハードです。
ですが、高学年だったので、なんとか楽しめました。親にゲームも買ってもらった記憶があります。
まあ、子供だったので、よく意味が分かってなかったシーンもあるでしょうし、人生経験も今とはだいぶ違います。
大人になった今、見直したら、色々感じ方は変わると思います。というか、YouTubeで無料の1話と2話を見たら見直したくなった…。続きが気になるぞ…。
どのファイズでも共通するのは、人間関係が、非常にドロドロした内容です。
小説版、劇場版ともにトラウマシーンはたっぷりですよ…。
今思うと、テレビの特撮なんかでトラウマシーンを見て、少しずつ耐性をつけていた面はあるのかもなぁ。
で、こちらの小説版に関してですが、尺の都合もあるのでしょうか。TV版とは大幅にストーリーも異なるため、スマートブレインは出てきません。
そのため、青いコスプレのようなミステリアスお姉さん、スマートレディやいわゆる四天王みたいな幹部たち、ラッキークローバーといったキャラクター達も出てきません。
ファンの方には悲しい限りでしょうが、仮面ライダーデルタも出ません。
トラウマがレベルアップ!
この小説の著者である、井上 敏樹先生は、仮面ライダーファイズの脚本家だったんですね。
あまり脚本家や作者について詳しくはないので、他のいくつもの仮面ライダーシリーズの脚本を担当されているということに驚きました。
そして、この小説に関してなんですが、決して子供向けではないです。
TV版以上に、ハードな展開や設定変更が多くて、読んでてびっくりしました。
特に仮面ライダーカイザとなる、草加雅人(クサカ マサト)。
彼は、イケメンですがかなり癖のあるキャラクターで、TV放送当時、小学生時代の私や友達も大好きなキャラクターでした。
有名なセリフは、「俺を好きにならない人間は邪魔なんだよ」。
いや、どういうことなんだってばよ!と突っ込みたくなるセリフです。
小学生でさえ、彼の異常っぷりにはメロメロです。無論、この私もメロメロでしたね…。
高学年の小学生男子がファイズを見た場合、間違いなく、このセリフをウザいくらいにモノマネします。お母さん方は覚悟しましょう笑
感想(ネタバレ含む)
以下ネタバレ含みます。
ご注意ください。
感想です。
いや、とにかくえぐいの一言だよ。
なんだこれ。子供は読んじゃダメな本だよ…。
そして、救いは一切ないし…。
結花の境遇、テレビ版でさえひど過ぎだったのに、さらにひどくするとは…。
しかも、境遇から来る、性格面での闇がとんでもない…。
草加雅人は完全にヤンデレ?な人格がヤバい男だし…。
雅人をお世話してた元カノの沙耶(サヤ)は何者なのか、結局わからんが、とんでもないヤンデレだということはわかる…。
もうめちゃくちゃだよ…。恐い怖い。
ぞっとするような描写が多めでしたね…。
私は、昔見たファイズの劇場版で、木場たちがハメられて、スマートブレインの化け物に始末されるシーンがかなりのトラウマでした。
特に、結花が殺された後、海堂が化け物に立ち向かうものの、全く相手にならず、ばくばくと食べられてしまうところが、怖いし、かわいそうでかわいそうで…。
しかもその後、木場だけは生かされ、仲間の死に涙し、おかしくなりそうになっているのが、めちゃくちゃきつかったです…。
劇場版がトラウマなのに、小説版はさらにトラウマ描写多めです。
私がトラウマになるのは映像が主体で、文字だけならまだグロテスクなのも一応読むことはできるので大丈夫ですが、苦手な方はきついと思いますので、ご注意を。
終わり方も、人によって意見が分かれるとは思いますが、自分としては何も救いがないなと思いました。
仮面ライダーファイズという作品は、決して気持ちのいい終わり方はできない作品です。それでも、めっちゃ面白いんだけど。
もう一度テレビ版や劇場版も見直して、レビューもしてみたいですね。
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