絶対に一度は見てほしい邦画です。
傑作だと思います。
ストーリー
天才数学者でありながら、不遇な日々をおくる石神哲哉。
彼は数学教師であり、隣の部屋に一人娘の美里と暮らすシングルマザー、花岡靖子に密かな思いを寄せている。
ある日、靖子宅を突き止めた、元夫の富樫慎二が金の無心にやってくる。
この男は非常にタチが悪く、今までも金の無心に来ては暴力もふるっていたようだ。
そして、娘の美里に激しい暴力をふるったことから、花岡親子は元夫を衝動的に殺害してしまう。
同時刻。隣の部屋から聞こえる、不審な物音を聞いていた石神。
彼は、隣の部屋へ訪れ、何が起きたかを一瞬で理解する。
そして、この親子を救うため、事件隠ぺいの協力を申し出ることに。
その後、石神は天才的頭脳を駆使して指示を出し、親子を救おうとするが…。
一方で、帝都大学の准教授である天才物理学者の湯川学に、不可解な富樫慎二殺人事件に対して捜査協力を依頼される。
彼は警察からの捜査協力を依頼され、これまで数々の難事件を解決してきたのであった。
大学時代の友人であった石神と湯川。
2人は、事件を隠蔽しようとする側と事件を解き明かす側になり、対立することになる、といった感じのストーリー。
推理モノに興味がない、という人でも楽しめる作品です!
見終わった後のなんとも言えないあの感覚…ぜひ味わってほしい!
ガリレオを見てなくても楽しめる!
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まず、これがこの作品の大きな魅力だと思います。
実際、私がガリレオシリーズに触れたのはこの映画が初めて。
上映当時、父と二男と気まぐれに映画館へ行き、特に見たいものがなく、二男のリクエストで見ることに。
二男はドラマを何回か見ていたそうですが、私と父はドラマも原作も全く知らない状態で臨みました。
ですが物語の冒頭で、テレビで放送されていま内容が、だいたいどんな感じだったのかがよくわかります。
それがまだPVみたいでかっこいいんですよ。
こちらの予告編だと、ちょっとスリリングな感じがして、映画の中身、良さとはまた違うんですが、これはこれでかっこいいかなと。
あまり期待せずに見たのもありますが、シリーズを全く知らなくても、問題なく楽しめました。
3人とも見た後は、話がすごく盛り上がりました!
特に私は、いい意味でとんでもないものを見てしまった…という初見の胸の感動が忘れられません。
明るい話では決してありませんが…
見た後、愛を感じる映画には違いないと思います。
トリックについて
物語の序盤にトリックが提示され、湯川や警察を物語の間中、苦しめることとなるトリック。
私はまんまと引っかり、全っ然わかりませんでした!
でも勘のいい人なら一発で気づくかも…
ところどころ、ヒントはあるんです。
でも映画館で見たときには全くわかりませんでした(^_^;)
最後あたりで、やっと謎が解け、ああ!そうだったのか…!と。
ですが、meikaの母親は初見でトリックに気づいてて、めっちゃびっくりしましたね…
勘の良い人なら一発で気づくのかもしれません…
あまりに勘の良い子供は嫌われてしまいますが…
こういうトリックにすぐ気づく方、ほんとすごいと思います。
推理小説も好きで、結構読んでるのに、名探偵への道は遠いなぁ…。
感想(ネタバレあり)
ここから先ネタバレあります!危険!
さて、感想です。
やはり、私は石神という人物がすごく好きなんです。
愛する人のため、ここまでできるのか…と。
石神という人物は、親の介護のため、数学に対する傑出した才能を持ちながらも、おそらく夢であっただろう研究職に就くこともできず
かといって、それを他人のせいにすることもなく、両親の死後は数学教師として生活をしてきました。
しかし、生徒のほとんどは石神の授業を聞いておらず、堂々と遊んでいるような状態。
学校では彼の数学への熱意は、完全に浮いてしまっています。
彼の数学に対する熱意は、誰に伝わることもありません。
孤独です。
そして、生きる意味を失い、自宅のアパートで首をつって自殺を試みようとしたところで、偶然か運命か、隣に引っ越してきた花房親子が挨拶に訪れます。
暗い石神に対しても、明るく感じよく接してくれる花房親子。
この親子との出会いで、石神は自殺を思いとどまります。
そして、いつしか靖子の働く弁当屋にも、毎朝通いつめるように。
もちろん、花房親子は石神が自殺を考えていたことなど知りません。
人って、ちょっとした人の優しさが、めちゃくちゃ嬉しくて、救われたりしますよね。
優しくした人にとっては何気ないことであっても、誰かを救っていることがあるんです。
石神からの手紙を美里が読んで静かに涙を流しているシーン…
何度見ても、あの場面で私の涙腺も崩壊します。
私の軟弱な涙腺では耐えきれません。
これこそ愛なのではないか。この映画のタイトルにある、献身というのがまた…いいんですわ。
完璧な最後で、見事に自分を犯人に仕立て上げ、親子を守ることに成功した石神。
でも、靖子はそれをわかっていながらも、警察へ自首するという選択をします。
靖子からすれば、そうですよね…。
石神がここまで自分たち親子のために、ここまでしてくれたことはわかっている。
そして、自首してしまえば、石神のしてきた全てが無駄になる。
でも。
それでも、身代わりに石神が捕まってしまったら、そのことを忘れて幸せに生きていくことなど、花岡親子にはできないのです。
そんな優しい親子だからこそ、石神は愛し、ここまでして献身的に尽くしたわけなのですが…。
だからこその、最後の、「どうして?」に対しての、「ごめんなさい」なのだと。
あの最後の石神の悲痛な叫びが胸に刺さりました。
あまり演技のうまさなどはわからないのですが、こればかりは演技力がすごいと感じました。
そして、映画を見た後に、原作小説も読みました。
個人的には、映画が原作を超えた名作だと思いました。
もちろん原作も素晴らしいのですが、いろいろと設定が異なるところもあるので…
まぁ私が最初に映画から見たからかもしれませんが。
とにかく、一度は見て欲しい映画。
何度見ても、泣いてしまいます。
エンディングの柴咲コウの「最愛」がたまりません…。
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当時の恋人に勧めて一緒に見た際は、温度差がやばかったですね。号泣する私に対し、冷静な元カノ…。
「何も、救いのない映画だったね」と。
私は、基本的にハッピーエンドを愛する男。
結末としては、バッドエンドなのですが、この映画に関してだけは、なぜか好きなんです。
石神の献身的な愛に胸を打たれるからでしょうかね…。
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