読んでてまさかの終わり方をした漫画があったのでレビューをば。
※タイトルの「狂愛」どおり、かなり人を選ぶ作品です。
ストーリー(ネタバレなし)
主人公:麻生俊(アソウ シュン)は、仕事は順調なものの、プライベートでは妻の愛(アイ)と離婚寸前。
ある日、会社の階段で転んだ新入社員の八見レイラ(ヤミ レイラ)を偶然見かける。
転んだ際、片方の靴が脱げてしまったレイラ。
レイラはなぜか靴を片方しか履いていないのにその場を去ってしまう。
翌日、麻生は拾ったレイラの靴を渡そうとするものの、レイラは天然なのか、靴を自分のものだとなかなか認めない。
しかたなく麻生はレイラに靴を履かせると、素直に靴を受け取り、すごく嬉しそうな様子だ。
その日から、麻生とレイラの距離は少し縮まっていくものの、レイラの言動がどんどんおかしくなっていく。
そして、麻生の妻が通り魔に襲われたり、家に何者かが侵入したり、その事件を捜査してた刑事が殺害されたり…
立て続けに不審なことが麻生夫妻の周りで起きていく…。
といった感じのストーリー。
漫画は全2巻なので、さくさく読めます。原作は小説のようですね。
こういうのって原作のほうが、細かい描写があって、想像力をかきたてられて怖い気がする。原作もいつか挑戦してみたい。
新しいタイプのヤンデレ
最終回まで読んだらわかりますが、ヒロイン?のレイラは変わったヤンデレです。
人によって、創作におけるヤンデレの定義は違うと思うけど、私の認識としては
ヤンデレ=病んデレ=病んでる+デレる
病気レベルで相手のことが好きなあまり、過度の依存や束縛、身勝手な行動をするような要素を何かしら持ってるキャラクター、といった感じかな…。
うーん、あいまい。ヤンデレと聞いてパッと思い浮かぶのは、未来日記の我妻由乃とか、スクールデイズの言葉とかかな…。
ヤンデレ作品が大好き!って人や、ちょーっと変わったヤンデレが読みたいな、という人にはおすすめかも…。
ヤンデレとは少し違うけど、この漫画のヒロインも変わってる。
変わった女の子が好きな方には、この漫画もいいかも。
最終回までの感想(ネタバレあり)
この先ネタバレ有危険
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最終回は驚きましたね…。
読んだ人はおそらく、みんな考えることだと思うのですが、「レイラの目的」がいまいち不明だったんですよね。
麻生の奥さんにストーキングしてみたり、麻生が奥さんと離婚するかもという話をすれば、そんなのは許せないと本気で怒ってたり…。
普通、いわゆる創作のヤンデレとかストーカーって、相手の気持ちは考えずに、とにかく自分のことしか考えないじゃないですか。
相手のことを好きなあまり、身勝手な行動をとりまくるというか…。(未来日記の我妻由乃とか、スクールデイズの言葉とか…。)
タイトルが「狂愛ヤンデレラ」だったので、この手のヤンデレかと思ってたら違いました。
とにかくレイラは変なヤンデレでした。
最終回で明かされる真実。
レイラはシンデレラのようにいつか、私だけの王子様が迎えに来てほしいと思っていました。これだけなら乙女ですね。
しかしレイラは、自分が相手に好意を持たれると、その相手を嫌いになってしまう。(相手からの行為を気持ち悪く感じてしまう人もいるようなので、そのタイプなのかも。)
そのため、今までもレイラ以外にパートナーがいる相手しか好きになれなかったようです。
そして靴を履かせてくれた(というか履かせるように仕向けた笑)麻生にロックオン。
そう。レイラの目的は、麻生に世界で一番愛される存在になること。
最初は麻生が妻の愛とうまくいってないと聞いたため、自分が麻生の子を産もうと考えてみたものの、王子さまが浮気するなんて許せない…。
ということで、レイラは麻生の子供になることを目的にした。
…?
意味不明なんですが、これがレイラによる一連の犯行の目的。
実は、妻の友人からたびたび送られてきたという肉や野菜ジュース…実は、レイラの血と肉が含まれていた。
これを食べることで、レイラは愛の体に交じり、その栄養はお腹の赤ちゃんへと吸収される…そして、クリスマスの夜にレイラが死ぬことで、麻生の子供として生まれ変わる…らしい。(この辺の発想とか思考回路がもうヤンデレ)
狂愛ってそういうことなのか…?
レイラの体力がなくなってた?というか妙に痛がる描写は、そういうことだったのかと…。ううぇ…。
「発想が突飛」というのこのことでしょうね…。
ツッコミどころは多々あるのですが、かなりぞっとしました。
そして、そのヤンデレな想いに胸を打たれたのか、麻生が生まれてくる赤ちゃんにレイラと名付けてたのが意味わからないし怖い。
主人公の気持ちが、一番わからないかも…。
数年後の子供はレイラに顔そっくりだし…。
というか、一番疑問だったのは、レイラに頼まれてレイラを殺害した人が、数年後も麻生の子の様子を見守ってる?
レイラが殺害される前に依頼したのかわからんけど、律儀だなぁと…。自業自得とはいえ、この人の彼女も仲間割れで殺害されたわけだから、単に様子を見てみたくなったのか…よくわからん。
大家さん殺害事件のあたりは正直よくわかんないですよね。多分原作小説はそのあたりもきちんと描写されてるのかもしれないな…。
まあ…とんでもないヤンデレに好かれてしまいましたが、麻生さん夫妻の命が無事でよかったね…。
でも、レイラのせいで亡くなった妻の友人、刑事さん×2人、飲み会でレイラにボコられた同僚…麻生夫婦以外は被害者多いですね…。
同僚の舞さんのおでこに思いきりグラスで乾杯した後、首根っこ掴んでボコボコ殴るレイラがいかれてて怖かったです…。
やっぱヤンデレは自分のことしか考えてないわ…。
なんだろう、ヤンデレ要素もあり、サイコパス的な要素もあり…といったホラー漫画だったかな…。
かなり気持ち悪い話であることは疑いようがないのですが、正直絵はそこまでリアルではないし、直接的なグロ描写は少ないです。
グロは得意じゃない私でも読める程度だったので、気になる方は読んでみてもいいかも。人を選ぶ作品ですね…。
原作者の沢市さとみ先生が読んでくれた
この記事でも触れましたが、Twitterの方でこのブログの記事を宣伝したところ、まさかの原作者様に読んでリツイートしてもらえました。
わざわざ読んでコメントまでくれて嬉しい。ありがたやありがたや。
ちなみに原作となった小説「ヤンデレラ」はこちらで無料で公開されています。
個人のブログですし、忖度したレビュー記事なんかは誰も読んでて面白くない(書く側も面白くない)と思います。
そのため、今後も正直な気持ちでレビュー記事は書いていこうと思います。
今回のように好意的に捉えてくれるのは、本当にありがたいことです。
こんなレビュー記事もおすすめ。
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